新劇場版エヴァを観てきました。その4/5

続きです。

今回のエヴァが、僕的には
以前のエヴァにあったエグさやイタさがまったくなくって、
なんだろうなと。


まず思ったのが、エヴァTV放映時と今とでは、ファンが抱える問題そのものが
当時と違うものになっているかもしれないなと言うことについて。


たとえば当時オタクがみんな割と抱えていた問題が
他人から存在を認められない「孤独」だったり
女子からキモがられることだったりしたのが、

今では「ニートな自分をどうしよう」とか
「『○○は俺の嫁』とか言ってるけど実際結婚どうしよう」とか。
そんなふうに、今と昔ではきっと変わってるはずです。



エヴァのエグさやイタさって、問題提起のエグさや
悩みの内容が稚拙であることから発するイタさじゃないですか。

提起する問題が変わるということは、エグさもイタさも変わりますよね。


そうなるとエヴァが当時僕らに問題提起したものが、
今となってはまったくリアルに感じられなくなって
共感を得られなくなるわけで。

エヴァの場合、
その問題提起こそがまさに話のコアなので
これはエヴァというネタそのものの鮮度にかかわる話なわけで。



というか正直、
今回のエヴァからは問題提起を感じられないl。
少なくとも僕には。


今回そういう色を感じないのは
庵野の成長なのか客(オタク)のニーズの変化なのか。
あるいは庵野にとってエヴァの位置づけが変わったのか。
たぶん全部なんじゃないかと。

庵野も所帯を持ち、
オタクたちもあんまりイタいのは敬遠するようになった。
庵野にとってのエヴァも、全身全霊を込めたメッセージじみていたのが
今ではかなり俯瞰して見れているはずだし、
人気が出たことで商業的側面も前より増している。

そんなこんなで実はこの新劇場版、本当に、
以前のエヴァとはかなり別物だと思うのであります。

続きます。