インド旅行記16日目。ベナレスの雨に打たれて…

どもです。今日も元気です。
今日は1日中雨で、あまり外に出る気が起きませんでした。
なにしろですね、バラナシというところは迷路のように入り組んだ小路が広がっておりまして、ホテルを出たら最後、戻るのも至難の技という・・・どの小道も似通っているし、牛だの犬だの猿だのそこらじゅうにいます。そしてそれらのンコが道いっぱいにあってさらに雨でぐちゃぐちゃになってまして、ちょっと歩きたくないなこりゃと。ちなみに今日はフリースを着込むくらいに寒いのです。ちょっと変な天気です。

でもルピーをくずしたいし、タバコと水を買いに行きたかったので小雨のバラナシを徒然とそぞろ歩いたわけです。

したら急に雨足が強まってきまして、どうしようもなくて雨に打たれながら迷路の街をさ迷い歩きました。
足元ひどいことになってますし、もういい加減だめだと、そこらのチャイ屋で雨宿りがてら一服。

ふと上を見上げますと、街の隙間から降り注ぐ雨になんだか妙に美しさを感じました。

聖なる街、というのがそのとき腑に落ちたような気がしました。(いぇ、臭いやら汚いやら困ったもんなんですが)

そんな感じで、今日もインドの片隅でのたくっております。


あるインド人が僕にいいました。
「インドで一番高価なものは何だと思う?」
僕は電化製品かな、と答えました。すると彼は
「インドで一番高価なもの、それは教育だ」
と言いました。彼は家の仕事を手伝いながら学費は自分で稼いでいるそうで、僕に金を要求することもなく、きちんとした英語で話しをしておりました。

この街でも充分に貧富の、というより教育の差がはっきりと見て取れるのです。教育を受けたものとそうでないものは、ほとんど交わることはありません。おそらくインドの識字率はおよそ60%だそうですが都市部に偏りがあるでしょう。
指差し会話帳でチャイを頼むことは出来ても、彼らの生きるこの現実をうかがい知ることは出来ない。

僕達日本人旅行者は、イナゴのように季節と共に大量に押し寄せ、おおかたはインド人詐欺のいいカモになり、あるいはインド人男性は日本人女性のアバンチュールの犠牲となって、彼女が去った数年後の今でも心を痛めていたりしながらも、何も残さずに去っていく。
この雨のように。
僕もまた数日後にはあとかたもなくこの街からいなくなる。
そのことにまた僕も何の感慨も起こらない。
そうしたものです。

写真1枚目は晴れの日のバラナシ。
2枚目はテロの次の日の商店街。朝からシャッターが閉まり、閑散としていました。次の日には元通りでした。たくましいなインド人。
3枚目は爆弾が発見されたダシャシュワメート・ガート。このあと、僕もガンジスで沐浴しました(独りで行ったのでその写真はありません。残念)。

余談ですが僕はこのホテルではクロコダイルと呼ばれております(笑)。別に僕がダンディーなわけでも、クリント・イーストウッドに似ているわけでもありません。
僕の名字が、ヒンディー語で「クロコダイル」を意味する様で。そんなわけで、僕の名前はクロコダイル。
ではでは。ナマステーィ!