アンドロイド携帯は電気iPhoneの夢を見るか?

Googleのアンドロイド携帯HT-03A(とT-01A)は、はたしてiPhoneの対抗馬たりうるのか、
という話です。

ドコモがソフトバンクiPhoneに対して、
いよいよ真っ向から対抗馬をぶつけてきたという構図ですね。
(ソフトキーのみのスマートフォンという意味で)


でも、HT-03Aの情報があまりないのと、T-01Aのほうが
Windowsappleということでネタとして語りやすいので、
今回はT-01Aメインで書きます。(なんだそりゃ)


で、実はこの話題には
「一般ユース」 と 「ビジネスユース」
という軸をまず考えなくてはいけないと思うのです。(後述します)

今回、長いですよ。覚悟してください。

では始めます。


T-01Aとは、この夏に東芝がドコモから発売するWindowsMobile版のiphoneです。
(乱暴に言えば)

詳細については以下をご参照ください。
http://ascii.jp/elem/000/000/418/418414/


iPhoneの革新性についてはもう散々語りつくされているわけですが、
正直、Windowsスマートフォンiphoneに互角に渡り合うには
もうフルサイズXPを丸ごと入れるくらいしかないんじゃないかと私は思っていたのです。

要は、iPhoneに対抗するためには、フルOSにして

・MSOfficeが使える
Flashサイトが見られる
・フルOSにより今までのPCの資産が全部生きる
(ソフト、ファイルあるいは知識とかもちろんアダルトも)

という訴求をしてゆくほかないんじゃないかと思うわけです。
(でもそもそもWindowsXPは低解像度画面やタッチパネルオペレーション、
電話機能との連動を前提として設計されていないので、
仮にXPが入ったところで問題は残りますが)


iPhoneは本体だけでなくitunesITMS、appStore、SDKデベロッパプログラムも含めて
「人間とITの接点そのものをデザインし直す」
ひとつのイノベーションであって、
ガワのデザインや操作性といった表層レベルだけを真似ても勝てないと思います。

ここでのITとは、ネットもゲームも音楽も電話もメールも全部包括した
「情報技術」全体の意味として用いています。


T-01Aには、そういう革新性は感じられないんですよね。
というかスマートフォン全体がそう見える。

書いていて気づいたんですが、
あるいはどうもiPhoneスマートフォンの両者で開発というか設計思想というか、
軸が明らかに違うということのようですね。



つまりですね。

今まで携帯業界、とりわけ海外市場ではスマートフォンはビジネス用、
一般ユースは普通のケータイと住み分けされていたと思うのですが、
iPhoneによって「一般ユースのスマートフォン」ができました。

日本では海外よりも携帯の多機能化(スマートフォン化)が進んでいたので、
iPhoneによって普通のケータイとスマートフォンの境がよりなくなったと思うのです。

普通の携帯もスマートフォンもみんな同じ土俵で異種格闘戦しなくてはいけなくなった。

さっきの軸の違いとは
この「一般ユース」と「ビジネスユース」の違いに起因するズレだと思います。

さて、
「一般ユースのスマートフォン」ですが、
iPhoneによって一般ユーザーもスマートフォンの価値に気づいたという言い方もできます。
実際に使うのは一部の人でしょうが、
MSも「一般ユースのスマートフォン」を意識せざるを得なくなるのではないかと思います。


しかし悲しいかな、itunesのようにWindowsMediaPlayerを立ち上げる気にはなれない。
単にイメージの問題かもしれませんが、
エクスプローラで音楽聴いている感じというか、もちろんモバイルでもそんな感じで。

そもそもそれぞれの発祥からして違いますし、
スマートフォンiPhoneと同じようには使えない。
どうしてもWindowsスマートフォンはビジネス用途向けになる傾向があります。


しかし、スマートフォンに個人ユースの分がないわけじゃない。
MSにはOffice(あと、アダルト)という伝家の宝刀がある。
(Officeはご家庭でも使いますから)

逆にMSはこの2つを軸に新たなスマートフォンの未来を提案できないと、
将来きついと思うのですよ。

ある意味そこがきっと最後の砦だと思うので
iPhoneでワードやエクセルが見られる日は、一生来ないと断言します(笑)


さて、 T-01Aですが。

どうやらT-01AiPhoneと同じ用途を期待して買うと、残念なことになりそうです。
通信料もiPhoneより高いようですし。
iPhoneの操作性だけおいしいとこ取りした、ガチビジネスツールというところでしょうか。
それはそれで需要は非常にあると思います。
諸般の理由によりドコモ縛りがあるユーザーというのは、けっこういるものです。
(私を含め)

東芝だけに国産ガンバレとも思います。
海外にも売る予定とのことで
ぜひともHTCに負けないでいただきたいと思います。

中身的なとこで言うと、
ブラウザはFlashLite3.1対応、ニコニコ動画は無理ですが、youtubeは見られるようです。
フルFlashのサイトは見れないところもあると思います。
MSOfficeはLiteが入っているので限定的ですが扱えますね。

ソフトウェアはWindowsMobile用に開発されたソフトがネット上に豊富にあります。
しかし、自分でソフト入れるのは敷居の高さがappStoreの比じゃあない。
探して見つけてインストして英語マニュアルと格闘して設定して・・・
大体がビジネス用ですし。
Bluetoothヘッドセットとキーボード、USBマウスが使えるのはすばらしいですね。
CPUの処理能力が高いのもいい。
苦労を厭わないある種類の人には「神機」となる素質はあると思います。


HT-03Aですが。
http://ht-03a.windows-keitai.com/

これに関しては今のところ僕の中で目指すところがよくわかっていないのです。
まだソフト開発者も出始めの段階ですし。
ただの低予算で開発可能なだけのOSになるのか、化けるのかわからない。

この手のガジェットでソフトが充実したり、
デベロッパが増えるかどうかって、もうOSシェアありきですし。

ただ、Googleストリートビューは明らかに
androidを見越して作ってたんだなーやっぱ、という感じです。
風景にHT-03Aをかざすと画面のストリートビューが連動するんですね。
ナビとしては最強でしょうね。
ナビにどんだけのビジネスチャンスがあるかは・・・
電脳コイルを見るとヒントになるかも。

T-01Aよりは楽しそうな感じかなぁ・・・


そんな感じで、まとめとしては

iPhoneに売り上げ的には勝つことはできなくても、
成り行きが非常に面白そうな2機種だと思います。

以上です。
長文、お疲れ様でした。


余談ですが、
ビジネスマンがT-01AHT-03Aを取り出すのは信頼が置ける感じがするのに、
iPhoneを取り出すのは、なんか信頼が置けない感じがするのは気のせいでしょうか。

出自がipodなだけに、どうも軽薄な感じがするんですよね。
仕事の発注先の人とか、営業の人とか、iPhoneを連絡先って提示されると、
なんか軽んじられてる気がします。

どうでしょう。


ではでは。